中国輸入で商品を輸入する際にはinvoice(インボイス)という書類が必要です。
このインボイスは中国輸入に限らず貿易でやり取りする際に必ず必要なものです。
インボイスは関税の算出にも使われる大切な書類なので、正確に記載されている必要がありますが
中国からの輸入では不正に記載して関税を減らそうとするアンダーバリューが多いようです。
こちらでは中国輸入で押さえておきたい「インボイス」と「アンダーバリュー」について詳しく解説していきます。
目次
中国輸入で必要な「インボイス」とは?
まずは中国輸入で必要となる「インボイス」とは?について解説していきます。
インボイスとは請求書の事で主に輸出入を行うときに使用されます。
約定品の出荷案内書、物品明細書、価格計算書、ダイキン請求書を兼ねた商用書類で、売主が買主宛に作成する書類です。
分かりやすくいうと、お店で買い物をした時にもらえるレシートのようなもので「やり取りの記録」となる書類です。
このインボイスは商品を海外から輸入、輸出する際に税関に提出する必要があります。
税関はこのインボイスを元に物品を確認し関税を決定します。
なので、インボイスは正確に記載されていなければならないのです。
インボイスの内容とは?使用目的は?
インボイスには、貿易取引の内容が明記されています。
そこには商品の価格だけでなく、日本までの輸送にかかった経費も明記されていますがこれは、関税が商品原価だけでなく日本への輸送にかかった諸経費にもかかってくる為です。
個人の利用目的で個人輸入を行う際には、免税のルールによって課税されないという場合がありますが、商業目的で輸入を行った場合は全て課税の対象となります。
インボイスには、取引した商品の価格や内容の他、輸入の際にかかった経費などの情報について全て書かれており、これらの情報を総合的に見て関税率を決定するために使用されるのです。
中国輸入のインボイスはアンダーバリューに注意
中国輸入のインボイスは正確に記載されていない不正な書類が送られてくる場合があります。
インボイスを不正に書く事をアンダーバリューでの輸入と呼び、中国輸入では特に注意しなければなりません。
アンダーバリューとは?
アンダーバリューとなるのはインボイスの内容を不正に低く書いて、関税、消費税を安くすることです。
インボイスには記載された価格などの数字を証明するものは必要ありません。
なのでその数字は自由に書けてしまいます。
価格を安く申告する事は容易なのです。
中国から商品を輸入する場合には、中国側でアンダーバリューの状態で発送してくることが多いです。
向こうが勝手に書いているんだし、関税が安くなるんだからいいんじゃないの?と思う方も多いかもしれません。
実際に中国輸入ではそのような仕入れを行なっている方もいるでしょう。
しかし、インボイスをアンダーバリューする事は法律違反です。
インボイスをアンダーバリューしてはいけない理由
もし、中国輸入のインボイスでアンダーバリューが摘発された場合、過去の取引がすべて調べられ、支払っていない分の関税や消費税を支払なければなりません。
関税については有利な判決を受ける事は出来ないので、もちろん減額などはしてもらません。
アンダーバリューを指摘により大きな課税をされ、廃業したケースも少なくありません。
また、ペナルティは課税だけではありません。
アンダーバリューで摘発された場合には、今後の輸入ができなくなるか輸入のたびに検査が必要とされ輸入に時間がかかるようになります。
そんな事になっては今後の中国輸入ビジネスが出来なくなってしまいます。
なのでインボイスのアンダーバリューはしてはいけないのです。
中国輸入でインボイスのアンダーバリューに気づいたら…
もし中国輸入でインボイスのアンダーバリューに気づいたら、中国の輸入元にインボイスを正確に書いたものを添付するように依頼しましょう。
また、海外に向けて輸出する場合にもインボイスのアンダーバリューを相手から依頼されることがあります。
この場合も絶対に引き受けてはいけません。
輸出の場合には、輸出免税(消費税の還付)が受けれない事や万が一の時の保険の補償額が小さくなるといったデメリットもありますが、何よりも法律違反となるので注意しましょう。
まとめ
中国輸入で必要な「インボイス」とは?とアンダーバリューしてはいけない理由を解説しました。
中国輸入で商品を輸入する際の関税の算出には必ず「インボイス」が使用される事、そのインボイスは必ず正確に記載されている必要がある事がわかっていただけたかと思います。
中国輸入に限らず、全ての輸入時に、また輸出時にもアンダーバリューには注意しましょう。
その他にも中国輸入では気をつけるべき項目が沢山あります。
特に法律関係は厳しく、情状酌量の余地がありません。
事前にしっかり調べておくようにしましょう。